「相続コンサルタント」が感じる「相続対策」と「円満相続」

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最初に申し上げますと、

こちらのブログは、あくまで、

僕、佐藤雄樹、個人が想うがままに

感覚論で、好き放題、書き綴っています。

 

もちろん、「相続」に関連することですから、

それぞれ、様々なパターン、環境がありますし、

「いや、それ、違うよ!」

と思われることもあるでしょうし、

 

こちらのブログを目にされていらっしゃる

アナタのお立場からすると、

「おい!フザけるな!」

という方もいらっしゃると思いますが、

ま、良いじゃないですか(笑)

 

立場が違う!ってことで(笑)

 

さて、今回のテーマ、

良いテーマですね!(自画自賛)

 

そう、よく、遺言セミナーとか、

民事信託?あれ?家族信託でしたっけ?

ま、名前なんて、

僕にとっても、クライアントにとっても、

正直、どうでもいいので、

信託セミナーとでも言っておきましょうか。

 

あ、ちなみに、商標とか、色々あるので、

こんなこと、言うと怒られるかもしれませんが、

商品名っていうんですかね、ネーミング?

これに「過度に」こだわるのって、ダサいと思ってます。

 

はい、多分、この時点で、

イラっと来ている方もいらっしゃると思います。

 

相変わらず、冒頭から、

失礼、極まりない感じですが、

「想うがままの感覚」なので、

お許しください。

 

さて、本題に戻ります。

 

そうそう、遺言とか、信託について、、

僕の場合、行政(新宿区とか港区とか)から

消費者向けのセミナー講師のオファーを

毎年、いただいたりしてます。

 

最近は、想うことがあって、

そのような機会の時にも

必ず、口に出しちゃってることがあります。

 

さて、何だと思います?

 

・・・ ちょっと、話を変えますね(笑)

 

さて、世の中、遺言については、

市民権を獲得してきましたよね?

 

これは、本当に、

法律家の方、公証人、公証役場の方、

さらには、法務省の方々等の努力の賜物だと思います。

関係の方々には、頭の下がる思いです。

 

僕が、この「相続コンサルティング」に

ググっと、舵取りをしたのは平成23年ですが、

当時は、相続対策の一環で、

遺言の必要性に迫られるクライアントに

遺言の作成を提案しても、

 

「え?遺言?まだ、大丈夫だよ!」

みたいな感じで、眉間に皺を寄せながら、

抵抗されるような話が、よくよくありました。

 

それが、いまや、相続相談会等で、

相続のご相談にいらっしゃる

クライアントに対して、

遺言の必要性を説明すると、

むしろ、クライアントの方から、

「遺言よね!?」

とか言われちゃうんですよ!

本当、これは、凄い事です。

 

また、相続法の改正もあり、

自筆証書遺言についても、

緩和措置が設けられたり、

法務局での保管サービスがスタートしたり、

「遺言」をテーマに、様々なセミナーや、

講座、更には、ワイドショー、週刊誌等で

取り上げられたため、より注目が集まり、

今では、市民権を獲得しましたよね。

 

そして、信託については、

ん…何度か、何が来たように感じてます。

 

平成23年前後に一度、波が来て、

この頃は、司法書士や行政書士の間で、

物凄い波が押し寄せてきてましたね。

 

そして、平成25~26年前後に、

不動産関連業界に物凄い波が押し寄せてきて、

その後、ようやく、弁護士や、金融機関等にも

広がっていっていきましたね。

 

また平成30年前後でしょうか?

前々からあった商品ですが、

某外資系保険会社の

生命保険信託とセット紹介されるようになり、

信託そのものに関心がもたれるようになりましたよね?

 

やはり、数々のトップセールスマンが

在籍される会社だけあって、

今度は、世の中(クライアント)に対して、

物凄い速さで、信託が浸透していったように思います。

 

あくまで、僕の感覚です。

多少、波が来た年に前後があるかもしれませんが、

そのあたりは、ご愛嬌で(笑)

 

僕自身は…というと、平成23年に、

相続対策における信託制度の有効性を感じ、

翌年の平成24年には、最初の信託契約を締結しました。

その後は、月に2-3件の信託の相談を受け、

毎月1件程度は、信託を組んでいた頃も有りました。

 

当時は、まだ、「民事信託」と呼ばれるのが、

一般的でしたかね?

 

ただ、当時は、まだまだ、課題だらけで、

本当に、苦労しました。

 

どこにいっても、

「は?信託?」とか、

「つまり、成年後見制度でしょ?」とか、

「詐欺だ!」とか、

「あー、信託ですね…当●では扱えません」とか

「新しい制度なので、●●●としては、何とも」とか、

 

極めつけは、これですよ!

「信託は、不安定な所有権」

とまで、言われました。

今でも、覚えてます(笑)

 

当時は、各金融機関でも、信託口座の開設が難しく、

実務家の中では、

「BT●Uは、●●支店と、●●支店で作れたよ!」とか、

「S●BCは、●●支店で作れたよ!」とか、

「り●●は、信託機能もってるから、イケるよ!」とか、

「地銀だけど、●●銀は、本店通せば、全部イケるよ」とか、

等と、日々、情報交換してました。

 

そんな「信託」が、まだまだ、これから!という時に、

公益財団法人不動産流通推進センターが

主催される相続対策専門士の事例発表会で、

「民事信託の実務と課題」というテーマで、

発表させていただき、最優秀賞をいただいた記憶があります。

 

ちなみに、今や、「不動産相続」では、

「知らない人はいない」とまで言われている

株式会社K-コンサルティングの大澤健司さんは、

前々から、存じ上げてはいましたが、

この時、隣の席でご一緒させていただき、

今では、大変、仲良くさせていただいています。

 

少し脱線しましたが、信託については、

今でも、メガバンクにおいても、まだまだな部分もあります。

 

相談時には、「そんなの知ってるよ!」みたいな顔で、

「全然、対応可能!」みたいな顔で対応されたのに、

後日、急に電話が鳴って、

事務所まで押しかけられて、

 

「当支店が含まれる●●エリア内では、

 信託案件の実績がないので、

 実績がない以上。取り扱えません」

 

とか、真面目な顔して、言われるものだから、

 

「てことは、一生、できないんだね…」

と、心の中で呟きながら、

失笑するしかありませんでした。

 

 

とはいえ、ここまで信託制度が拡がる今でも、

このようなことがあることも事実なので、

信託の組成に関しては、ある程度、慎重に進めないと…

とは思います。

 

さて、長くなりましたが、ここまでが、前置き。

本題はというと、

こういった、

「遺言」や「信託制度(民事信託・家族信託)」って、

セミナーでも、書籍でも、

「遺言を作って円満相続」とか、

「円満相続のためにも●●信託を」とか、

目にしたり、耳にしません?

 

僕の勝手な経験と実感に伴う個人的な見解ですけど、

それって、本当に、「円満になるの?」

「遺言作ったら、円満になるの?」

「信託を組んだら、円満になるの?」

「そもそも円満の定義って何?」

 

といったところです。

多分、ここの部分て、専門性の問題だと思うんですけど、

弁護士の方なら、言いたいこと、分かりますよね?

 

逆に、税理士、司法書士、行政書士の先生方、

或いは、相続コンサルタントや相続のサポート業務を

されている方だと、ピーンと来ないかもしれません。

 

あ、すみません、割合的な意味で言っているので、

僕と業務上、日々やりとりしたり、

日々、僕のブログに目を通していらっしゃる方々は、

ピーンと来てますよね?

 

巷では、遺言を作成することで、

信託を組むことで、さも、残された家族が、

遺言や信託の内容に則って、

幸せに暮らしましたとさ… チャンチャン!

みたいな、日本昔ばなし的な伝わり方、してますけど、

 

「遺言」や「信託」、

「生前贈与」、「生命保険」等も含めた

いわゆる「遺産分割対策」って、

ある意味、目的は、「円満相続」が目的じゃないんですよ。

 

むしろ、逆なんですけど、

分かって、言ってますかね?

 

そもそも、なんで、「遺産分割対策」て、

やるんでしたっけ?

 

「遺産分割で、相続人同士が揉めないため」

でしたっけ?

 

その答えを出した方、

違います。

 

「遺産分割対策」って、

「特定の遺産」を「特定の相続人」に、

確実に、且つスマートに

名義変更するための「手段」に過ぎないんです。

 

言い方を変えると、そのための「道具」なんです。

 

夢見がちな「遺言」や「信託」で、

或いは「生前贈与」や「生命保険」で、

残された相続人が

「みんな、ハッピー!」

「ローラだよ!」

みたいには、なりません。

 

皆さん、大人だと思うので、言っちゃいますが、

ここは、現実の正解です。

 

道具を使ったからって、みんなが幸せになるような、

映画の「ドラえもん」の世界じゃないんです。

 

そう、「映画」の「ドラえもん」ではなくて、

どちらかというと、

現実の相続の現場は、

「アニメ」の「ドラえもん」の世界なんです。

 

この違い、分かりますか?

「映画」の「ドラえもん」て、

未来の「道具」を使って、皆が心を一つにして、

幾多の試練を乗り越えて、最後は、

「みんな、ハッピー!」

「ローラだよ!」

みたいな感じじゃないですか?

 

けど、「アニメ」の「ドラえもん」て、

どうですか?

 

大抵の展開は、困っている のび太がいて、

或いは、泣きつかれたドラえもんがいて、

見るに見かねて、のび太に「道具」を与える。

 

のび太は、

その「道具」を使って、気を紛らわしたり、

ジャイアンや、スネ夫にギャフンと言わせる。

 

けど、のび太は、大抵の場合、

その「道具」の効果が強すぎちゃって、

ギャフンと言わせたはずのジャイアンや、スネ夫に

「道具」を奪われて、或いは、

「道具」の「使い方」を間違えて、

最後の最後に、のび太は、

痛い目にあいますよね?

 

 

正に、これって「遺産分割対策」と一緒なんですよ。

この「アニメ」の「ドラえもん」、

「道具」を使って、

ジャイアンやスネ夫をギャフンと言わせている時、

のび太にとっては、「円満」かもしれません。

じゃ、ジャイアント、スネ夫は?

全然、「円満」じゃないですよね?

 

しかも、のび太は必要以上に、

ギャフンと言わせ続けてしまう…

 

だから、「道具」を奪い返して、

のび太に逆襲するんですよね?

 

この時、のび太は、「円満」ですか?

当然、違いますよね?

 

では、ジャイアン、スネ夫は、「円満」ですか?

やり返して、その場では、ゲラゲラ笑ってますけど、

おそらく、これは想像レベルですが、

やり返しても、心の中では、

ムシャクシャしてますよね?

人って、そういうものですよね?

 

そう、「遺産分割対策」も一緒です。

ドラえもん(ご本人)が、

のび太(特定の推定相続人)に

特定の財産を残してあげようと思うんです。

 

けど、のび太のところには、すぐに、

ジャイアンやスネ夫(他の推定相続人)が、

寄ってたかって来るんです。

 

だから、ドラえもん(ご本人)は、

のび太(特定の相続人)のために、

道具(遺言、信託、生前贈与、生命保険等)を

使わせてあげるんです。

そのための協力も惜しまないんです。

 

けど、どうですか?

そう、「道具」の効果が強過ぎちゃうから、

最終的に、やり返されたりもするんです。

 

 

自分で書き綴っておいて、こんなこと言うのも変ですが、

まさか、「ドラえもん」の例え話で、

まさか、こんなに盛り上がるとは(笑)

 

 

では、真面目な話へ。

「遺産分割対策」は、その財産をお持ちの方の

なみなみならない想いや理由があって、

「特定の資産を特定の推定相続人に相続してほしい」

ということですよね?

 

そのためには、ある意味、手段を選ばないということです。

ただ、当然、遺留分や、他の推定相続人との関係や

分割案等は調整したり、対策を講じたりしますよ?

 

けど、仕方ないんですよ。

だって、こんなこと、言いたくはないですが、

権利はあるわけですから。

 

その権利を侵害されて迄…

てなると、やっぱり、人は、大なり小なり、

面白くないこともあるんですよ。

 

たまに、

「いや、遺言通り、執行したので、

 揉めてないから大丈夫でした」

とかいう方、

いらっしゃいますけど、

そりゃ、確かに、表面上は、喧嘩もしなけりゃ、

紛争にも至ってないかもしれませんよ?

 

けど、その自分の法定相続分を侵害された相続人は、

本当に、その微塵も、不満はないんですかね?

 

もっと言ってしまえば、

例え、法定相続分で分割できたとしても、

本当に、その相続人の方々には、

「一切の不満もない」等、

まさか、思ってたりしませんよね?

 

いや、正直、そんなこと、ほぼ、無理ですよ。

…少なくとも、僕が体験している範囲では。

 

皆さん、多少なりとも、不満は持っているんです。

しかも、それは、相続人間の仲が良いことが前提です。

 

「遺言」を書いたからって、不仲の相続人間は、

何ら、解決しませんよ。

 

「遺言を書く」ことで、

法定相続分通りの分割とならない可能性の方が高いですから、

むしろ、火に油を注ぐかんじですよね?

 

また、仲の良い相続人間でも、

相続財産が数千万の価値の不動産と、

僅かな金融資産…といった場合は、

かなり分割が難しくなりますよね?

 

それでも、法定相続分で分割しますか?

不動産は兄弟姉妹で相続することは、

ご法度ですから、やはり、相続人の誰かに、

相続財産が偏りますよね?

 

親としても、その不動産を相続する予定の

推定相続人が不動産を相続できるように、

「遺言」を作成したくなりますよね?

 

で、「遺言、作成しますよね?」

その他の推定相続人、どう思いますか>

 

面白いですか?

自分は、僅かな現預金しか相続できないのに。

しかも、その現預金は、どんどん減っていく…みたいな。

理性では、仕方がない…と思っても、

決して、面白くはないですよね?

 

で、他界しますよね?

「遺言」を執行すると、

不動産と残り僅かな現預金の名義変更が確定しますよね?

その時、不動産は、数千万の価値、

一方、現預金は、数百万。

 

これ、本当に、揉めませんかね?

でも、明らかに、遺留分も超過してそうですよね?

え?遺言があるから、円満だから、遺留分なんて、請求されない?

 

そんなこと、ありますかね?

 

けど、そんなんだったら、そもそも、

遺留分の侵害請求なんて制度、いらなくなっちゃいますよね?

せっかく、相続法改正されたのに…

だったら、そもそも、この制度自体、不要だったってことですか?

 

どうです?

 

僕のブログ、本当に、長ったらしいので、

もう、読むのも疲れてきちゃったと思うんですけど、

なので、今回は、このあたりで、締めたいと思うんですけど、

要するに、「遺産分割対策」って、

つまり、「=(イコール)」の関係では、

「円満相続」には繋がらないんですよ。

 

むしろ、逆なんです。

色んな事情があって、「円満な相続を迎えるのが難しい」から、

「遺産分割対策」を講じるんです。

 

「遺言」を書いたり、

「信託」を組んだり、

「生前贈与」をしたり、

「生命保険」を活用したり、

 

といった「遺産分割対策」は、

 

1)法定相続分通りには、相続させられない

2)特定の資産を特定の推定相続人に相続させたい

 

こういう想いがあるのは、仕方がないことですし、

あくまで、個人の資産なんですから、

何をどうしようと、個人の勝手なんです。

 

それを「誰に承継させよう」と、個人の勝手なんです。

アナタもそうであるように、個人には、

色んな事情があるんです!

 

「遺産分割対策」は、その個人の事情を鑑みて、

その想いを実現可能とするため、

つまり、自身の財産の行く末を、

確定させるための「道具」なんです。

 

だから、もらう側「相続人」のことなんて、

ある意味、考える必要がないんです。

だからこそ、「最低限の保証」として、

「遺留分」があるんじゃないんですか!?

 

そう、最後に、もう一度、

 

「遺言」を書いたり、

「信託」を組んだり、

「生前贈与」をしたり、

「生命保険」を活用すれば、

さも、必ずしも、「円満相続」に繋がる

…という今の「相続業界」全体の風土に

どうしても、異論を唱えたかったので、

今日も長々と書き綴らせていただきました。

 

ちなみに、相続税対策については、

「円満相続」に結びつきやすいのかな?

とも思いがちですが、

こちらも、実は、そうでもないので、

また、お時間あるときに!

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