ハウスメーカーがもたらす「有効活用」におけるメリットとは?

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「相続ンサルタント」が考えるシリーズとして、

と「納税対策としての有効活用」を展開してきましたが、

「ハウスメーカーを敵視しているのか!?」

というご意見も無くも無さそうなので、

「決してはそんなことないよ!」

という事を…ではなく(笑)、

有効活用において、どこ(どの会社)で建てるか?

つまり、有効活用のパートナー企業選びは、

有効活用における「本質」ではなく、

単に「目標達成のために選択肢」にしか過ぎない!

…故に、どこ(どの会社)で建てるかは、

目的達成ができるか否かの判断の結果、

確定することであって、

社名とか、ブランドとかって、さほど、重要でもない!

ということを冒頭に申し上げておきます。

 

とはいえ、今日の冒頭も、なんか、

ハウスメーカー批判のように聞こえますが、

全くそんな気は無いんです。

むしろ、今日は、このように、

クライアントの目標達成にコミットメントし、

年がら年中、有効活用に携わる僕のような

相続コンサルタントが、

あえて、「ハウスメーカー」を選ぶ、

「ハウスメーカー」がもたらす「メリット」について、

触れていきます。

 

 

まず、先に申し上げておくと、

一般的に…と言いますか、日本国民全体的な傾向として、

「大企業だから大丈夫」とか、

「大企業だから安心」等という点は、

こと、「有効活用」や「建築」においては、

通用しない、つまり、判断材料に含まれません。

 

なぜか?

それは、僕の大切なクライアントが、

誰もがご存じの大手ハウスメーカーや大手建築会社と、

揉めに揉めるケースを沢山、見てきているからです。

クレームや細かいトラブルなんて、

ザラですし、裁判なんて、決して珍しいものではありません。

 

某建築会社等は、法務部(室)の責任者に対して、

クライアントの代理人弁護士が、内容証明で通知したところ、

法務部(室)の責任者より、

「会社の体質として、内容証明程度では対応できないので、

 裁判所に訴えを提起してほしい」

という返答もありました。

当然ながら、裁判所に訴え提起すると、

某建築会社の代理人弁護士が現われ、和解で解決する…

 

なんてことが四六時中という会社もあります。

まぁ、当然ながら、僕の大切なクライアントには、

そんな会社、絶対に紹介しませんが、

どんなに大企業とは言え、全てのスタッフが、

あらゆることに対して、パーフェクトに

対応されるわけではないですし、

多様性の理解を求められる現代社会においては、

それこそ、クラアント側にも問題がある場合もあります。

 

結局は、人と人の社会ですから、

例えば、クラアントとハウスメーカーの担当営業マンの

相性は良いものの、担当営業マンの上司、

或いは、設計担当、現場監督、現場の職人さんとの

相性が悪かったりすることもあります。

それは、それで仕方ないですし、

大会社だからこそ、細かな融通が利かないとか、

ルールに厳格過ぎて、1つ1つの事象・手続きに

時間と手間を要する等、トラブルとなる要因は、

山ほどあります。

 

また、建築というものは、

どんなに建材や技術が進歩しても、

例えば、プレハブ構造のため、工場生産によって、

ミリ単位での精度で仕上げていただいても、

工事現場が、何らかの状況で、

事前の調査データとの相違が生まれ、

結果、現場で組み立てることができない…

なんてこともあるほどです。

大会社だから、知名度があるから、「大丈夫!」

というだけで、過度な信用をしてしまうと、

本当に痛い目に合いますので、注意が必要ですし、

逆に、大会社だからといって、油断大敵です。

 

さて、ここまでが注意事項。

 

ここから、本題に入りますが、

有効活用において、

「ハウスメーカー」がもたらす「メリット」は、

 

細かく挙げるときりがないので、

代表的なメリットとしては、

1)相談から、初回提案(プランニング)迄のスピード

2)保証期間・メンテナンス

3)提携ローンと金利

といった3つのメリットが挙げられます。

 

 

1)相談から、初回提案(プランニング)迄のスピード

 

ハウスメーカーの場合、

日々、沢山の提案を行われているため、

幾多の経験に基づくプランニングはもちろんの事、

工事代金の見積から、賃貸マーケット分析に基づく、

賃料から、賃貸事業の事業収支等、

提案資料の完成迄に要する時間が、

圧倒的に早いという事実があります。

 

「鉄は熱いうちに叩け」と言われるように、

有効活用に対して、クライアントが、盛り上がっている

状態の内に、提案していただけるというメリットがあります。

また、ハウスメーカーだからこそでしょうが、

提案資料に含まれるパースや図面、各種カタログは、

本当に質が高く、ただ、提案資料を見ているだけで、

見ている側のクライアントや、僕迄、テンションがあがるともに、

期待や夢が広がります。

 

つまり、パースや図面、各種カタログ等は、質が高く、

クライアントにとっても、紹介者である僕にとっても、

短時間に、これだけのものを完成し、提供いただけることは、

大きなメリットであると思います。

 

 

2)保証期間・メンテナンス

 

日本では、新築住宅を建築する場合、

ハウスメーカーや、建築会社等は、

住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)

において、「構造上体力上主要な部分」や、

「雨水の侵入を防止する部分」において、

10年間の契約不適合責任(瑕疵担保責任)

を負わなければなりません。

故に、一般的な建築会社、工務店等は、

この法律で定められた10年間のみの保証

としているケースが多いですが、

昨今では、ハウスメーカー等では、

この期間を、50年、30年、20年等として、

保証期間を長くすることで、クライアントに安心を与え、

保証期間中は、完全にメンテナンスフリーとする

ハウスメーカーもあります。

住宅ローンやアパートローンにおいては、

そのローン返済期間が、

20年、25年、30年、35年…等という

長期に渡るため、クライアントからすると、

その期間、ハウスメーカーがメンテナンスをしてくれる

という安心感は、この上ないものかもしれません。

 

 

3)提携ローンと金利

 

さて、ここまでの  1)、2)までは、

ごく、当たり前の話ですよね?

そう、「ハウスメーカー」がもたらす「メリット」の内、

最大のメリットは、正に、

この 3) の提携ローンと金利です。

 

何度もしつこういようですが、

「納税対策」を目的とした「有効活用」を行う場合、

「キャッシュフローの最大化」を追求するため、

建築する会社をハウスメーカーではなく、

工務店等に建築をする前提で、

事業計画を組むことがあります。

それは、以前のブログでも書きましたが、

ハウスメーカーで建築する場合と、

工務店で建築する場合とで、

賃料乖離は、統計的には、15%前後でしかないものの、

その建築コストは、倍近くの乖離があることが

多いためです。

つまり、キャッシュフローの最大化でもあり、

コストパフォーマンスの最大化も狙う必要があるからです。

 

しかしながら、アパートローン等となると、

当然、クラアントの属性や資産状況によっては、

審査が厳しくなることがあり、投資効率の良い事業計画でも、

建築する建築会社の与信によって、

アパートローンを否認されるケースも多くあります。

 

特に、数年前に発生した「かぼちゃの馬車」や、

「スルガ銀行」等を発端とした様々な背景から、

現在は、アパートローンに対しての見方、

そして、審査が、かなり厳しい現実があります。

 

地主さん等の「納税対策」としての「有効活用」であれば、

僕の提案するような事業計画ですと、

ほぼほぼ、通りますが、

例えば、「納税資金対策」でなく、

単に、ご自宅の建替えを機に行う

大規模な「賃貸併用住宅」や、

土地を購入して、アパート建築を始める方に

等に対しては、建築会社が工務店等だと、

どんなに事業収支が良くても、その工務店の与信によって、

ローンを否認されるケースがあります。

 

失礼な話かもしれませんが、

土地を購入して、アパート建築を始めるような方であれば、

待てば良い気もしますが、

ご自宅の建替えや、大規模な「賃貸併用住宅」となると、

資産の有効活用という面からも、

この超低金利な時代に、始めずにいつやるの?

という状態ですから、ローンが組めるか否かは、

非常に重要な問題です。

 

 

ハウスメーカーであれば、

どの会社であれ、提携数は会社毎に違えど、

提携ローンがあり、大抵は、

金利の優遇を受けることができます。

 

僕の経験上、提携ローンで、

アパートローンを否認されたことは、

一度もありません。

 

当然、融資金額の減額というケースは、

過去に何度かはありました。

でも、それも、全て、土地の購入から検討される方でしたし、

減額される金額も100万円、200万円程度ですから、

比較的、優秀な方ではないでしょうか?

 

ま、それでも、ここまでの話だと、ごく一般的なので、

僕のこの長々としたコラムに目を通されるような

玄人の方にとっては、退屈ですよね。

 

なので、今日の「本質」的な部分のお話をしますが、

「ハウスメーカー」の「提携ローン」の何が凄いか?

というと、前述の通り、

「金利の優遇」があるという事です。

 

「あれ? さっきも言ってたじゃん!?」

 

て感じですよね?

はい、そうです。

でも、ここから先があるんです。

 

 

その話をするにあたっては、

昨年、提案した有効活用案件で、

実際にあった事例を説明させていただきます。

 

都内城北地域(23区の北側)で、有効活用として、

賃貸物件の建築を予定していました。

対象地が都市計画道路上に存するため、

防火地域に存するため、建物自体を、

耐火建築物にする必要があり、

且つ、CM等でも目にするような、

ガラス張りの賃貸物件(住居)を希望され、

且つ、これまでの経緯などといった

複雑な事業を勘案すると、

比較検討できるハウスメーカーは、

2社に限定されていました。

この2社の事業収支を比較すると、

以下のような形でした。

 

 

【A社】

請負金額:100,000,000円

年間収入:  8,400,000円

    (表面利回り) 8.40%

自己資金: 20,000,000円

借入金額: 80,000,000円

調達金利:       1.70%

融資期間:         30年

年返済額: 約3,400,000円

年間CF:  4,800,000円(2期目)

 

 

【B社】

請負金額:110,000,000円

年間収入:  9,000,000円

    (表面利回り) 7.85%

自己資金: 20,000,000円

借入金額: 90,000,000円

調達金利:       0.89%

融資期間:         35年

年返済額: 約2,990,000円

年間CF:  5,523,000円(2期目)

 

 

一見、建築費用と、年間収入だけで検討すると、

【A社】が優れますが、細かなCFに注目すると、

明らかに【B社】の方が、優れています。

 

その要因は、【B社】の賃料が、

多少(2%)程度、高いことも影響はありますが、

最大の要因は、調達金利と融資期間です。

【A社】は、信託銀行の提携ローン。

【B社】も、当然ながら、メガバンクをはじめ、

信託銀行の提携ローンも揃えていましたが、

提案されたのは、損害保険会社の提携ローンでした。

 

今回は、2社ともに、

大手ハウスメーカーではありましたが、

ここで強調したかったのは、

ハウスメーカーの提携ローンのパワーです。

 

【B社】が提案した提携ローンの

金利優遇によって、普通に考えれば、

 

・毎月の家賃収入の差は微々たるもの

・【A社】の方が1割も安い

 

と考えれば、【A社】と選んでしまいがちですが、

この提携ローンのパワーによって、

建築コストが「1割も高い」はずの

【B社】の方が、総合的に優れていました。

 

この結果、有効活用のパートナーとして選定されたのが、

【B社】であることは、想像できることかと思います。

また、僕と個人的に親しい方であれば、

僕が、この後、【B社】に対して、

ああでもない、こうでもない…とえげつない交渉をして、

最終的に500万円近く価格交渉に成功したことも

想像できるかと思います(笑)

 

つまり、「ハウスメーカー」がもたらす「メリット」の内、

「提携ローン」と「金利の優遇」と挙げましたが、

単に「提携ローンがある」とか、「金利の優遇」がある

という表面上の話ではなく、

「ハウスメーカー」がもたらす「金利の優遇」は、

有効活用の「肝」であるキャッシュフローに、

とてつもないインパクトを与え、それは、請負価格の差や、

表面的な投資効率を裏切ってさえくれるような、

物凄いメリットが眠っている可能性があるということです。

 

 

蛇足にはなりますが、

僕は、いつも「目的が大事」である旨、

お話ししていますが、有効活用に限らず、

クライアントが建物を建築される「目的」によって、

その「目的を達成させるため」には、どうあるべきか?

を考え、専門家としての様々な見地・経験から、

その目的達成に向けて、一緒になって走り続けるのが、

コンサルタントだと思っています。

 

ここ3日間は、「納税対策」としての「有効活用」、

つまり、いかにして、効率よく納税資金を生み出すか?

を目的とした場合についての内容でしたので、

割合としては、「ハウスメーカー」は、

納税対策においては、パートナーとして選ぶのは、

比較的、ハードルが高い旨、延々と書き綴りました(笑)

 

では、それは、なぜだったか?

多少、触れたかもしれませんが、

端的に表現をすると、ハウスメーカーは、

その名の通り、「ハウス」… つまり、

自らが、家族と住む「家」であるため、

その「家」という空間において、

家族と過ごすために、「質」を追い求め、

結果的に「贅沢品」となることが、大いにあります。

 

僕は、コンサルタントとして考えるには、

「家族」と過ごす「家」という空間を、

より良い空間にするために、「質」を追い求めた結果、

「贅沢品」という考えは、必然であるため、

これは、正しく、決して間違っていないと思います。

 

だからこそ、理想的な「家」づくりを目指す

ハウスメーカーで「マイホーム」や、賃貸併用住宅を

検討するのは、間違いではなく、ごく自然な流れだと思います。

 

なかには、上記の理論から考えると、

「マイホーム」なら良いけど、

賃貸併用住宅は、「賃貸物件」なんだから、

「不適だ!」と思われるかもしれませんが、

クライアントの「目的」によるかもしれませんが、

ある意味、上記のような意見を仰る方は、

「コンサルタント」という名前に執着しすぎて、

「本質」であるクライアントの「目的」を、

見失っているように思います。

 

大前提として、「マイホーム」は、究極の贅沢物です。

上述の通り、それは、良いんです!

では、「賃貸併用住宅」だと、どうでしょうか?

よく、考えてみて下さい。

確かに、賃貸部分が含まれます。

故に、投資効率等を優先する必要もあるかもしれません。

ですが、「住宅」、そう、「マイホーム」部分が含まれるんです。

この「マイホーム」部分が含まれるにもかかわらず、

投資効率を優先すべきでしょうか?

 

僕は、そうは、思いません。

なぜでしょう?

それは、投資効率を優先しすぎた相談者の方が、

「マイホーム」部分が、あまりにもチンケで、

愕然とし、結果的に、大手ハウスメーカー系の

リフォーム会社にリフォームを依頼する光景や、

新築当初の「マイホーム」を赤子のように大切に接っしもせず、

なぜか投げやりになるような光景を何度も見ているからです。

 

だからこそ、クライアントの「目的」が優先されるんです。

中には、「マイホーム」と「賃貸部分」とで、

分けて建築すれば良いという意見もあるかもしれません。

 

ですが、そうすると、「究極の贅沢品」であるはずの、

自慢の「マイホーム」が、遠目から見ると、

小さく、こじんまりと纏ってしまってしまいます。

「賃貸部分」と併せることで、一棟の建物として、

「大きく」見せる(魅せる)ことで、

「自慢」のマイホームという

「憧れ」も達成させることが、

可能にもなります。

 

当然、これらは、各々のメリット・デメリットを

考察する必要がありますし、

クライアント一人一人の「目的」は、

異なるでしょうから、

こちらの価値観を押し付けるわけではなく、

クライアントと向き合いながら、

協議を重ねる必要があります。

 

そして、その結果、

導き出された「目的」を達成させるために、

専門家として、様々な見地・経験から、

一緒になって走り続けるのが、

我々、コンサルタントの使命なのではないでしょうか?

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